薄っぺらくて後ろが透ける日本国旗、店に居座って「500円寄付して」——全国の飲食店で外国人による「日本国旗」の押し売り

社会
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全国の居酒屋やバーに、見知らぬ外国人女性が突然入ってくる。注文はしない。客でもない。薄い日本国旗を渡し、日本語の紙を見せて500円を求める。断っても帰らない。客がいる店では邪魔になる。500円払えば消える。札幌で報じられたこの話は、いまや各地で同じ形になっている。国旗が「小遣い稼ぎの道具」になった瞬間、感じるのはただの迷惑ではない。馬鹿にされている感覚だ。

店に入り、旗を渡し、帰らない

札幌・すすきののバー店主は、1週間ほど前に外国人女性が店へ来たと話す。最初は客かと思った。座らない。酒も頼まない。話しかけると、日本語で書かれた紙を出してきた。

紙の内容はこうだ。「耳が聞こえなくて言葉もしゃべれません。日本の文化を勉強するために来ました。活動を続けるには寄付が必要です。500円を寄付してもらえたら、この国旗を差し上げます」

断った。だが、払わないと帰らない雰囲気だった。他の客もいる。居座られると営業の邪魔になる。500円で帰ってくれるなら、と払った。近くの別のバーでも同じ女性が目撃された。旗はA4を半分にした程度で、店主は「すごく薄っぺらくて、後ろが透けている」と話している。受け取ると、同じように「500円で買ってくれ」と書いた紙を見せられた。断ると舌打ちされた。周辺の飲食店にも同じ話が広がっている。ほろ酔いの客が「かわいいから1000円でいいよ」と買ってしまう例もある。

新しい事件ではない。形が店内に移っただけだ

この手口は2018年ごろから東京の秋葉原、渋谷、新宿などで路上販売として報告されてきた。沖縄の国際通りでも、同じように「耳が聞こえない」「滞在費の支援を」と書いた紙を見せて旗を渡す事例が確認されている。旗は薄い。テレビ朝日の取材によると、透けるほど安っぽいものだった。原価は数十円だろう。はっきりしているのは、正規の国旗というより、押し売り用の薄い旗だという点。

「寄付」「文化を学ぶため」「耳が聞こえない」と紙に書くのは、ただの物乞いだと軽犯罪法に触れやすいからだ。販売の形にすれば、網をすり抜けやすい。障害を装えば、日本人は断りにくい。「聞こえない」と言われれば、粘られても言い返しにくい。金額が小さいので詐欺での立件も期待しにくい。計算された押し売りだ。

元特捜検事の前田恒彦氏は、しつこくつきまとう、立ちふさがる、居座るなら迷惑防止条例などで通報できると指摘する。検挙された途端、日本語で弁解し始める外国人もいる、という。元警視庁公安の松丸俊彦氏は、今のところ大きな組織性は感じないとする。各地の個人が旅費と小遣いを稼いでいる可能性が高い、とみる。路上から店内へ入る形は、新しい手口だという。払えば「ここは金になる」と学習される。最初に帰らせなければ、また来る。

500円の問題ではない。日の丸の値段が落ちている

金額は小さい。だが象徴は大きい。日の丸は国家の旗であって、居座り商売の景品ではない。それを握らせ、舌打ちされ、500円で帰らせる。払った側は「仕方ない」と思い、受け取った側は日本を甘く見る。その繰り返しが、国旗の値段を決めていく。

同情で払った金は、相手の「文化学習」を助ける金ではない。次の店への交通費になる。受け取らない。返さない。帰ってもらう。しつこいなら110番する。店の客に「かわいいから」と払わせない。それが最低限の対応だ。

国旗を売る者が悪い。だが、透ける旗を500円で買ってしまう空気を放置する側にも責任はある。日本を小馬鹿にされたと感じるなら、まず払うな。遠慮を商品にさせないこと。それが、今できる一番はっきりした返事だ。

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