NHK放送文化研究所の記事(『放送研究と調査』2026年7月号掲載)によると、フランス・パリに本部を置く国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(RSF)が2026年4月30日に発表した「報道の自由度ランキング」2026年版で、世界180の国・地域の平均スコアが100点中54.3点と、2002年の調査開始以降で過去最低を記録したという。
報道を取り巻く状況を5段階で評価した結果、「非常に深刻」と「困難」に分類された国・地域が合わせて94と、初めて全体の半数を超えた。自由度は悪化の一途をたどっていると、NHK放送文化研究所の記事は伝えている。RSFは国家安全保障関連の法的手段が各国で広がっていると指摘し、「民主主義国家でさえも情報にアクセスする権利が着実に侵害されている」と警鐘を鳴らしている。
日本は62位、特定秘密保護法などを問題視
NHK放送文化研究所の記事によると、国・地域別にみると日本は62位で、分類は下から3番目の「問題あり」。RSFは「特定秘密保護法がジャーナリストの活動を阻害し続け、編集の独立性を守るための安全策が不十分だ」と指摘したという。
RSFの発表によると、スコアは62.90点で、前年の66位より順位は上昇したものの、スコア自体は64.13点から微減したと分析。政府介入や記者会見の制限、記者クラブの閉鎖性なども従来から指摘されてきたポイントだ。
アメリカは64位、G7で最低——トランプ政権の影響を強調
同記事によれば、前年から7つ順位を下げたアメリカは64位。RSFは「トランプ大統領が報道機関に対するたび重なる攻撃を組織的な政策に変えた」とし、G7(主要7か国)で最も低い順位となったとされている。
一方、10年連続で1位となったのはノルウェー。報道の自由を保障する法的枠組みが強固で、公共放送が独立し、政治的干渉が少ない点が評価された。
パレスチナは深刻な状況、ジャーナリストの犠牲が突出
NHK放送文化研究所の記事は、戦争の影響が特に深刻とされたパレスチナが156位だったと伝えている。2023年10月以降、イスラエル軍の攻撃によって220人以上のジャーナリストが犠牲になり、このうち少なくとも70人は取材活動が理由で殺害されたとRSFは報告。イスラエル軍側は「ジャーナリストを意図的に標的にしたことはない」と一貫して主張しているという。
世界全体の悪化が顕著
RSFによると、法的指標の悪化が特に目立つ。報道の刑事化が進み、民主主義国でも情報アクセスが制限される傾向が強まっているという。平均スコアの低下は25年ぶりの最低水準で、「困難」または「非常に深刻」が過半数を超えたのは史上初だ。
このランキングは毎年、政治・法制・経済・社会・安全性の観点からスコア化されている。日本を含む先進民主主義国の低迷が続く中、独立した報道の在り方や、権力監視の実効性が改めて問われている。(出典:NHK放送文化研究所『放送研究と調査』2026年7月号掲載記事「世界の『報道自由度』が過去最低に」、およびRSF発表資料を基にまとめ)

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