イタリアのジョルジャ・メローニ首相は9月16日の閣議で、小型・中型車とバイクにかかる自動車税(bollo auto)の廃止を承認したと発表した。対象は出力80kW(約109馬力)以下の乗用車とすべての二輪車で、1人につき1台まで。対象車両は約1450万台にのぼり、イタリアで走る乗用車の7割超をカバーする。
メローニ首相は記者会見で「イタリア人が最も嫌う税金の一つをなくす」「野党が資産税(パトリモニアーレ)を語る一方で、我々は所有そのものにかかる税金を取り除く」と強調した。これまでの一時的な燃料税減免から、日常的に車やバイクを使う人を直接支える恒久的な減税へと舵を切った格好だ。
イタリアが選んだ「構造的な減税」
今回の措置がまず対象とするのは2027年分の納税だが、メローニ首相は「一時的な措置ではなく、次の予算法で恒久化する」と明言している。財源には、EU復興基金(PNRR)のうち期限までに使い切れなかった融資・補助金枠から約23億ユーロを充て、税収減となる地方(州)へ補填する仕組みだ。
対象となるのはガソリン・ディーゼル・ハイブリッド車で、電気自動車(EV)はすでに別枠の優遇制度があるため今回の対象外。複数台を所有する場合は、出力の低い1台のみが免税となる。通勤や子どもの送り迎え、仕事で毎日車を使う層を直接支える内容で、一時しのぎの燃料補助を続けるのではなく、車を「持つこと」自体にかかる負担を軽くする発想が特徴だ。
日本の自動車税制は今こそ見直すべきだ
日本では自動車税(排気量ベースの年税)に加え、車検時の自動車重量税、購入時の環境性能割、燃料税、さらに登録から13年を超えると税額が上がる仕組みが重なる。重量税には、1974年に道路整備の財源として「当分の間」上乗せされたはずの税率が、50年以上経った今も続いており、業界団体やJAFは以前から「根拠を失った二重課税」「過重で複雑な負担」と批判してきた。特に車が生活必需品である地方ほど、保有段階での負担が重くのしかかる。
イタリアのように「日常使いの1台」に絞ったシンプルな減税・免税を、日本も真剣に検討すべきではないか。税制を複雑にいじるより、国民が実感できる負担軽減を優先すべきだろう。


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