被爆2世・吉川晃司氏「戦争を決めるのは安全地帯にいる人、戦場に行くのは庶民。せめて国民の総意を」「あんなモンスターに多くの命を奪われることは絶対あってはならない」8/22・8/23、広島公演

社会
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8月6日、広島原爆の日。被爆2世として知られる歌手・俳優の吉川晃司氏が、繰り返し発信してきた言葉が改めて注目される。

「戦争を始めるのはいつの時代も、『安全地帯』にいられる人たち。戦地に行くのは庶民です。そんな『行かない人たち』で決めるのではなく、少なくとも、国民みんなで考え、その総意に基づいてものごとを決めていく。その基本は忘れてほしくない」

2025年、被爆80年を前にしたインタビューで語ったこの指摘は、AERA DIGITALや中国新聞ヒロシマ平和メディアセンターなどで報じられた。

吉川氏の父は入市被爆者だ。祖父母が営んでいた「吉川旅館」は、原爆ドームの対岸、現在の平和記念公園内にあった。若い頃はほとんど語らなかったその体験を、父はここ10年、20年で、ぽつりぽつりと話し始めたという。

自身も「被爆2世」であることを長く公言せずにきたが、東日本大震災でのボランティア経験などをきっかけに、表現者として声を上げる決意を固めた。「エンターテイナーとして見得を切って生きてきて、こんなときに黙るのか」と自問し、「言葉にする。文字にする。詩に書いて歌う」道を選んだ。

核兵器を「モンスター」と表現し、「あんなモンスターに多くの命を奪われることは絶対あってはならない」と訴える一方で、理想と現実の間で慎重に言葉を選ぶ。核兵器の完全廃棄が望ましいとしつつも、ウクライナのような事例を挙げ、「正しく祈っていれば傷つけられないのかというと、そうではないのも事実」と指摘する。

その上で核心にあるのが、「安全地帯」にいる意思決定者と、戦場に送られる庶民の断絶だ。吉川氏は「安全地帯にいる人だけで決めるんじゃなく、国民の総意を聞いて決めようよ」と強調する。

2026年も吉川氏の平和への発信は続いている。全国ツアー『KIKKAWA KOJI LIVE 2026 Higher and Higher Tour』では、8月22日・23日に広島公演(上野学園ホール)を控える。

「戦争は二度とあってはならない」。被爆地出身のエンターテイナーが、80年超の時を経てなお問い続けるのは、誰が、どのようにして、国民の運命を決めるのかという根本的な問題だ。

安全地帯にいる者だけで決めてはならない――。吉川晃司の言葉は、被爆の記憶を風化させず、民主主義の基本を今に問いかけるものとして、重く響く。

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