メガソーラーによる「光害」まで問題視されている福島県の先達山。その先達山を見守る「先達山を注視する会」によると投資案件として手掛けたのはカナダのAmpという会社でした。
「先達山を注視する会」は、2009年に設立された再生可能エネルギー投資会社であるAmp社は、環境改善への貢献を掲げているものの、それは「単なる大義名分」に過ぎず、利益獲得を最優先とする投資会社と指摘しています。同社は日本を重点投資国と位置づけ、2016年に進出を開始しました。
Amp社は、利益のためであれば環境や景観を犠牲にすることを厭わないのでしょうか?その最たる証拠が、先達山における大規模な森林伐採・メガソーラーの設置であり、破壊された先達山と、失われた吾妻連峰の景観ではないでしょうか?この開発は、発電事業による利益獲得以外の理由があるのか、と住民から問いかけられています。
縄文遺跡の隣接地にも巨大施設
Amp社が福島に進出して最初に目を付けた開発案件は、先達山ではありませんでした。2017年7月、新生銀行(現:SBI新生銀行)が資金面で支える形でAmp社が買収した太陽光発電事業である、福島市東部に位置する「福島ソーラーパーク」です。
これは発電容量14.7メガワットの「メガソーラー」であり、用地面積は東京ドーム4個分にも及びます。この施設は、縄文時代の遺跡を保存している福島市の公園「じょーもぴあ」の隣、阿武隈川の東側、宮畑に建設されました。縄文人の素朴な暮らしと文化を学び、古代に思いを馳せる空間を「見事に壊してくれた」と指摘されています。Amp社はこの事業において、縄文遺跡や市民公園という周辺環境との調和を考慮した事実があるのか、住民から疑問が投げかけられています。
先達山の強行開発とAmp社の姿勢
先達山のメガソーラー事業は、Amp社が実質的な支配者であるAC7合同会社を通じて進められました。Amp社は、2014年度の固定買取価格(1kWhあたり32円)という「おいしい権利」を買い上げ、事業を推進しました。この売電価格は、2024年の価格(1kWhあたり16円)のちょうど倍にあたります。
Amp社は、環境破壊を伴う問題案件を推進する企業として、福島に入る以前から知られていたと指摘されています。例えば、2018年には舞鶴で計画したパーム油バイオマス発電所について、住民の猛反発を受け、計画を撤回させられた経緯があります。しかし、福島においては、住民の反発を無視し、環境破壊を伴う先達山の開発を強行しています。
この開発が深刻化し、市街地からも巨大な「はげ山」が見えるようになった頃、福島市の木幡市長でさえ「ノーモアメガソーラー」を宣言するに至りました。
Amp社の事業は、SBI新生銀行が全面的に擁護する回答書を公開しているほか、東邦銀行も先達山案件に20億円を融資しており、毎年3,000万円ほどの利息収益を得ている状況です。
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