内容
■あなたの脳内こそが、次なる戦場だ。
近年、防衛白書でもその概念が盛り込まれ、国会でも議論が展開されるようになった「認知戦」。日本においては、偽情報の拡散やSNSでの印象操作、ハッキングなどによる「情報戦」「サイバー戦」と混同されがちだが、実際には大きく異なる。あなたの「心=脳内」そのものが戦場となるのが認知戦であり、それは言い換えれば「洗脳戦」なのだ。
本書は、洗脳研究において世界的な権威であり、オウム真理教の信者を脱洗脳した世界で唯一の人物である認知科学者・苫米地英人が、認知戦の最前線を徹底解説した渾身の一冊。相手のブリーフシステム(=その人の意思決定の基盤となる信念体系)を書き換える戦いは、どのような手法が用いられ、どのような効果を生み出すのか。また、ロシアや中国といった認知戦先進国はどのような戦略を用いているのか。そして、それに抗うべき日本が取るべき選択とは。――
その実態と防衛策を理論と実践の両面から描き出し、今、日本に求められている新しい国家安全保障のパラダイムを明らかにする。
著者について
【著】苫米地英人(とまべち・ひでと)
1959年生まれ。認知科学者。コグニティブリサーチラボ株式会社CEO兼基礎研究所長、カーネギーメロン大学CyLabフェロー(サイバー防衛)、ジョージメイソン大学指揮・統制・通信・コンピューティング・サイバー・インテリジェンス(C5I)研究教授(認知領域戦)、公益社団法人日本ジャーナリスト協会会長、一般社団法人日本外交政策学会会長。UNIDO(国際連合工業開発機関)次世代型人道的地雷保護プロジェクト代表。2007年、戦争領域が認知領域に拡大することに警鐘を鳴らし、「Cognitive Warfare」という英語を造語し、自ら「認知戦」と日本語訳も造語。2019年よりジョージメイソン大学C5I研究教授として、米国で初の認知戦研究専任教授となり、現在に至る。2022年8月には米インド太平洋軍アキイリノ司令官(当時)に世界初の認知戦システムをプレゼンテーション。2025年2月には、インド太平洋軍のパパロ現司令官が基調講演を行ったHonolulu Defense Forumにおいて、インド太平洋軍のラッド副司令官座長の冒頭パネルで米軍並びにワシントンDC関係者に認知戦講義を行った。
2025年2月より国連UNIDO次世代型人道的地雷保護プロジェクト代表として、非戦地における民間人の犠牲を全世界で防ぐことを目的とした「ドローンを活用した空中地雷探知およびデジタル警告システム」研究開発リーダーを務める。国土の約4分の1、17万4,000平方キロメートルに2,500種類の地雷が埋設されているウクライナで、2025年7月に最初のフィールドテストに成功。コグニティブリサーチラボ独自開発のレスキューリンクシステムにより、有事や自然災害による大規模停電、通信網やインターネット切断、GPS切断時にも正確な地雷位置をセキュアに民間人へ提示する技術の実証に成功した。
登録情報
- 出版社 : 開拓社 (2025/9/30)
- 発売日 : 2025/9/30
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 160ページ
- ISBN-10 : 4758970270
- ISBN-13 : 978-4758970273
- 寸法 : 19.4 x 13.5 x 1.5 cm
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