米保守系ジャーナリストのタッカー・カールソン氏、トランプ政権が数日以内にイランへ核攻撃の可能性と主張 根拠は匿名の「観察者」、米政府は軍事計画にコメントせず

国際
この記事は約3分で読めます。

米国の保守系ジャーナリスト、タッカー・カールソン氏は2日までに、Xに長文を投稿した。イスラエルのネタニヤフ首相の圧力を受け、トランプ政権が数日以内にイランへの核攻撃に踏み切る可能性があると主張している。ただし、この主張は独立した裏付けが得られていない。

カールソン氏がトランプ政権の標的として挙げたのは、イラン中部のピックアックス山だ。同氏は、イスラエル情報機関が「イランが核濃縮を再開した」と主張する場所だと説明した。同施設はナタンズ近郊の地下施設で、過去の米軍攻撃では攻撃されていない。同氏は、約300フィート(約91メートル)の花崗岩を貫ける通常兵器は米軍にないとして、「軍事的選択肢は核攻撃だけだ」と述べた。なお、別の報道では同施設は少なくとも100メートルの岩盤下にあるとされる。

カールソン氏は、情報筋とみられる「事情に詳しい観察者」の話として、ネタニヤフ氏が毎日のようにトランプ氏へ電話していると主張した。ネタニヤフ氏の動機については、先週のイスラエル総選挙の結果、トランプ氏が連立交渉に直接介入しなければ61議席を確保できず、失脚や捜査、収監につながりかねないためだと説明している。

同氏はさらに、ヘグセス国防長官とクーパー中央軍司令官が戦闘再開を推し、ルビオ国務長官とラトクリフCIA長官もネタニヤフ氏に追随していると主張した。一方、トランプ氏は和平合意は可能だと説くバンス副大統領とウィトコフ特使の意見を聞いており、決断をためらっているという。カールソン氏は決定が11月7日までに下される可能性にも言及した。

同氏が挙げたリスクは次のとおりだ。いずれも同氏の主張である。

・ホルムズ海峡で10月だけに超大型タンカー11隻が損傷し、世界のエネルギーと肥料市場が不安定になっている。
・ペルシャ湾が核の落下物で汚染され、約1億人の水供給が脅かされる。
・米国が核を使えば前例となり、ロシア、インド・パキスタン、北朝鮮による核使用の口実になる。
・米国は2月以降、戦術核の先制使用を容易にする方向で核ドクトリンを書き換えた。
・ネタニヤフ氏は9月27日にアブダビを極秘訪問してUAEに協力を求めたが、断られた。

こうした主張に対し、米政府は確認していない。ホワイトハウス当局者は機微な軍事計画にはコメントしないとしつつ、あらゆる選択肢を排除しない姿勢を示した。ルビオ氏は、新たな攻撃について決定はないと述べている。イラン側は同施設での核活動を否定している。トランプ氏は10月16日、同山を攻撃する可能性に触れる一方、核兵器の使用は明確に否定していた。

背景として、米メディアのアクシオスは、ネタニヤフ氏が米中間選挙の直後の攻撃を求めている一方、トランプ氏は交渉に猶予を与えたい意向だと報じている。イスラエル側は、イランが遠心分離機を同施設に移したと分析しているとも伝えられている。

日本は原油輸入の多くを中東に頼り、ホルムズ海峡の情勢悪化はエネルギー安全保障に直結する。核使用が現実化する根拠は現時点で乏しいが、核使用の可能性が公然と議論されていること自体が、市場と外交に与える影響は小さくない。11月7日前後の米政府の動きと、米イラン間の交渉の行方が焦点となる。

参照情報

タイトルとURLをコピーしました