北里大学大村智記念研究所・花木秀明教授「ヘルペスも帯状疱疹も肺炎球菌も非定型結核も一斉に流行している。免疫低下以外の説明があるのか」——コロナ禍に突然現れた“公衆衛生専門家”にも追及「責任逃れは出来ません」

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北里大学大村智記念研究所教授の花木秀明氏が、Xで立て続けに問題を提起した。ひとつは、かつては同時に起きなかった複数の感染症がいま一斉に広がっている異常さ。もうひとつは、コロナ禍に突然現れた「公衆衛生専門家」たちの資格と責任である。両方とも、専門家として現場と論文を見てきた人間の言葉として、無視できない重みがある。

「30年前からコロナ前まで、いっせいに起きたことはなかった」

花木氏は9月23日、こう書いた。「ヘルペスが流行る。帯状疱疹が流行る。肺炎球菌が流行る。非定型結核菌が流行る。感染症専門家は異常と思わないのか? 少なくとも30年前からコロナ前まで、これらの流行がいっせいにおきた事はなかった。現状を見て、何かがおきてると推測するのが専門家でしょう。これらの感染症が流行する理由として、我々の免疫が低下してる以外の理由はありますか?」

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスが神経節に潜伏し、加齢やストレス、過労、免疫低下をきっかけに再活性化して起きる。ヘルペスも潜伏感染の再活性化が中心だ。肺炎球菌や非定型結核菌も、宿主側の防御が落ちたときに表に出やすい。個別に見ればどれも「よくある感染症」だ。問題は、花木氏が指摘するように、これらが同時に目立つことである。専門家なら「何かが起きている」と仮定するのが自然だ、というのが花木氏の主張だ。

引用や返信では、繰り返し接種したmRNAワクチンによってスパイク蛋白への抗体がIgG4に偏り、免疫抑制的な応答が強まったのではないか、という見方も広がった。花木氏自身は投稿本文でワクチンを名指ししていない。ただし免疫低下以外の理由があるのか、と問う形で原因究明を専門家に突きつけている。テレビでこの疑問がほとんど流れないこと自体がおかしい、という反応も少なくない。

「突然出現した公衆衛生専門家」はいま何をしているのか

翌24日、花木氏は別の問題に切り込んだ。

「今回のコロナで突然出現した公衆衛生専門家。日本ならいざ知らず、世界的に博士号を持っていない専門家など存在しません。一般的には修士卒業は学卒とわからない待遇です。一般的には修士は学生、博士は研究者の卵として認識されています。コロナ禍、日本では学生程度の知識を振り回した医クラがニョキニョキ出てきました。正直、学会では聞いたこともない方々でした。その方々がファクトチェックを行う、政府に対策を提言するなど、あり得ないことを平気でやってました。この方々の論文はほとんどありません。他人が書いた論文を自分たちに都合がよいものを選び出して日本中を混乱に落とし込みました。論文を多く書いた者でなければ論文の本質は分かりません。では、この方々は今は何をしているのでしょうか。ほとんどの方が、いなくなってしまいました。しかし発信した内容は消えません。責任逃れは出来ません」

花木氏の指摘の核は単純だ。専門家とは学位と論文の蓄積で測られる。学会で名前も聞いたことのない人たちが、他人の論文を都合よく摘んで政策と世論を動かした。いま表舞台から消えても、当時の発信は残る。責任は消えない、というものである。

返信では、反対派を激しく攻撃していた医師たちの名前が挙がった。コロナ期にテレビやSNSで目立った医師の論文を調べると、研究実績も引用も乏しい人が多かった、という声もある。一方で、ワクチンに慎重だった側には、以前から名前の通った研究者が多かった、という対比も出ている。

専門家が異常と言わなければ、誰が言うのか

二つの投稿は別件に見えるが、一本でつながっている。感染症が同時に目立つなら、免疫や宿主側の変化を疑うのが専門家の仕事だ。その仕事を、論文も学位も十分でない発信者が代行し、都合のよい論文だけを選んで社会を動かした。いま彼らが表から消え、残ったのは流行そのものと、当時のメッセージだ。

花木氏は北里大学で感染制御を専門とし、論文を書いてきた側の人間だ。学会で聞いたこともない人たちが政府に提言していた、という指摘は、内部から見た違和感として読む必要がある。例えば、帯状疱疹やヘルペスの増加自体を加齢社会で説明したとしても「いっせいに」という点を、専門家が異常と思わないのか、という問いは残る。

政府が守らないなら、国民が自分で気づくしかない——花木氏の投稿に対して、そんな反応も出ている。原因が何であれ、複数の日和見的な感染症が同時に目立つなら、まずデータを出し、仮説を検証するのが専門家の役割だ。

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