米保健福祉省(HHS)のロバート・F・ケネディJr.長官は10月5日、NIH(国立衛生研究所)ベセスダキャンパスで、ワクチン接種後に健康問題を訴える患者の研究・診療を専門とする歴史的なクリニックを開設した。
NIH所長ジェイ・バタチャリア氏、CMS長官メフメット・オズ氏、CDC所長エリカ・シュワルツ氏らとともに臨み、「患者や家族の声を無視したりガスライトしたりせず、真剣に向き合う。証拠に基づいてワクチンをより安全にし、公衆衛生機関への信頼を取り戻す」と強調した。
トランプ政権の「Make America Healthy Again(MAHA)」方針の一環で、VAERS報告の医師報酬化や電子カルテへの副反応記録義務化など、報告・研究体制の抜本強化も同時に打ち出されている。
NIHで「ワクチン傷害クリニック」開設 患者の声を直接つなぐ研究拠点に
ケネディ長官らはNIHでリボンカットを行い、接種後症状を訴える患者・家族の声を直接聞き、臨床評価と科学的調査を一体化させる施設を正式にスタートさせた。これまで「目に見えない病気」とされ、周辺化・否定されてきた接種後健康問題について、原因究明とより良いケアの開発を目指す。家族や子どもたちが同席する場で、症状を無視された経験が語られる場面もあった。
「ガスライトするな」 ケネディ長官が公言した方針転換
ケネディ氏は「ワクチン傷害を報告する患者や家族の声を聞かねばならない。否定したりガスライトしたりしてはならない」と明言。トランプ大統領とともに「証拠を追い、学んだことをワクチンの安全性向上に活かす」姿勢を強調した。長年、接種後症状を訴えても「気のせい」「偶然」と片付けられてきた人々にとって、連邦政府トップが公式に「聞く」と宣言したことは大きな意味を持つ。
報告体制も同時改革 医師報酬・VAERS近代化・電子カルテ義務化
クリニック開設に加え、HHSは複数の対策をパッケージで発表した。
- CMSが医師のVAERS報告時間に対する報酬を提案(報告のハードルを下げる)
- 電子カルテに接種後副反応を記録するよう連邦基準で義務化
- CDCのVAERSをモバイル対応など使いやすく近代化
これらを通じ、現場の報告→研究→患者ケアの循環を強化し、データに基づく安全性評価を進める方針だ。日本でも接種後健康被害の報告・救済をめぐる議論が続く中、米国のこの動きは注目に値する。

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