ポーランド大統領、EUの「デジタルサービス法」実施法案を拒否権行使、検閲懸念を強調「全体主義的だ」トランプ政権の反グローバリズムと同様の姿勢

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ポーランドのカラル・ナヴロツキ大統領は1月9日、欧州連合(EU)のデジタルサービス法(DSA)を国内で実施するための法案に対して拒否権を行使した。この決定は、EUの規制が行政的な検閲を引き起こす可能性があるとして、国内外で注目を集めている。ナヴロツキ大統領は、右派の立場から自由を重視する姿勢を鮮明にし、「国家は自由を制限するのではなく、保証するものである」と述べた。

法案の背景と拒否権の理由

デジタルサービス法は、EUが2022年に採択した規制で、オンライン上の違法コンテンツや誤情報を抑止することを目的としている。ポーランド政府は、ドナルド・トゥスク首相率いる親EU派の政権下でこの法を国内法に組み込む法案を議会で可決させた。

しかし、ナヴロツキ大統領はこれを「オーウェリアン(全体主義的)」なものだと批判し、市民が国家当局と対峙せざるを得なくなるリスクを指摘した。

大統領は拒否権行使の声明で、「この法案には単に有害な規定が含まれている」と強調し、EUの規制がポーランドの言論の自由を脅かす可能性を警告した。

この拒否権により、ポーランドはDSAの完全実施を遅らせることとなり、EUから数百万ユーロの罰金を科される可能性が出てきた。EU側は、ポーランドに対し法の採用を促しており、法的措置の検討を示唆している。

一方、ナヴロツキ大統領の決定は、国内の右派支持者から「デジタル冷戦の始まり」と評価されており、ポーランドのEU懐疑派勢力を勢いづかせている。

トランプ大統領との関係と国際的文脈

ナヴロツキ大統領は、昨年9月にドナルド・トランプ米大統領とホワイトハウスで会談し、両国間の軍事協力やロシア抑止策について議論した経歴を持つ。 この会談では、トランプ氏がポーランドへの米軍駐留を強化することを約束し、両者の蜜月関係が確認された。

ナヴロツキ氏はトランプ氏の支援を受け、ポーランドの右派政権を維持しており、今回の拒否権行使も、トランプ政権の反グローバリズム的なスタンスと連動しているとの見方がある。

最近では、トランプ大統領が主催する欧州首脳とのテレカンファレンスにナヴロツキ氏が参加し、EUの規制に対する懸念を共有したと報じられている。これにより、ポーランドは米国との同盟を強め、EU内の孤立を深める可能性がある。

日本への示唆

この出来事は、日本にとっても教訓的だ。EUのような国際的な規制が検閲社会を生むリスクがあり、日本政府がグローバリスト的な圧力に抵抗しなければ、類似の状況が生じる恐れがある。ポーランドの事例は、言論の自由を守るための国家主権の重要性を浮き彫りにしている。

この決定の今後の展開として、ポーランド議会が拒否権を覆すための再議決を行うかどうかが焦点となる。EUとの対立が激化すれば、ポーランドの経済や外交に影響を及ぼす可能性が高い。

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