日本銀行が10日に発表した2026年5月の企業物価指数(CGPI)は、前月比0.9%上昇した。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇が輸入コストを押し上げ、石油・化学製品を中心に幅広い品目で価格転嫁が進んだ。前年比では市場予想(+5.5%)を大きく上回る6.3%の上昇となり、物価圧力の根強さを改めて示す結果となった。
日銀の集計によると、主な押し上げ要因となったのは資源関連分野で、石油・石炭製品が前月比2.8%上昇、化学製品が同1.5%上昇した。金属製品や電力・都市ガスなどのエネルギー関連品目も堅調に推移し、全体を牽引した。
背景にあるのは中東情勢の悪化だ。ホルムズ海峡周辺での緊張が高まる中、原油供給への懸念が強まり、国際的な原油先物価格が一時1バレル90ドル台を回復。国内輸入価格にも直撃し、企業間の取引価格に反映された形となった。電力料金についても、燃料費調整額の上昇が影響した。
今回の結果を受け、市場では日銀の追加利上げ観測が強まっている。日銀は4月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に据え置いたが、中東情勢が物価の上振れリスクとなる中、複数の政策委員が近い将来の利上げ余地を示唆していた。今後の原油価格動向と実質賃金への影響が、次回会合の焦点となりそうだ。

人気記事