登山家・野口健氏は2023年12月21日、釧路湿原のメガソーラー問題に対し、北海道の鈴木知事に「中止命令」を出すようXで呼びかけた。その中で使った「ファーストペンギン」という比喩が大きな反響を呼んでいる。野口氏の投稿要旨: 「これまでメガソーラーに中止命令を出した知事はいない。ファーストペンギンには覚悟が必要だが、それが大役でもある。後には列ができる。北海道の揺れは全国に広がる。鈴木知事にはファーストペンギンになってほしい。全国を救うことになる。」これは単なる環境問題の訴えではなく、政治指導者に前例のない決断を迫る強いメッセージだ。
「ファーストペンギン」の本当の意味
野口氏が言う「ファーストペンギン」は、ただリスクを取る人ではない。
集団の未来のために最初に危険を冒し、安全な道を示す「大役」を担うリーダーこそが真のファーストペンギンである。中止命令には、事業者からの訴訟リスク、経済団体や国の圧力など、強大な反発が予想される。それを一身に引き受ける覚悟が求められている。
北海道の一歩が日本を変える理由
釧路の問題は地方の一案件ではない。
全国で進む無秩序なメガソーラー開発に対する、行政の対応の試金石だ。鈴木知事が中止命令を出せば:
- 他の自治体が追随できる強力な前例となる
- 「環境保全」「公共の福祉」の解釈に新たな基準が生まれる
- 事業者に環境影響の厳格な証明責任を負わせる流れに変わる
つまり「北海道の揺れ」は本当に全国に広がり、日本の国土保全のルールそのものを変える可能性がある。
野口健氏の提言は、現代日本に欠けている「最初に飛び込む勇気」を政治に突きつけたものだ。
鈴木直道知事がファーストペンギンとなれば、それは一自治体の決断に留まらず、日本の環境ガバナンスと民主主義の信頼を取り戻す歴史的一歩となる。今、日本に必要なのは「覚悟」を持って大役を果たす指導者である。
その最初の一歩を、北海道に期待したい。


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