フランス政府は10月19日、17日の全国デモに伴う暴動や略奪を受け、一部都市で夜間外出禁止(クーヴルフー)を発令した。今回の騒乱では初めての措置で、19日夜から順次始まった。ルコルニュ首相は19日、措置は「局地的」「部分的」になると述べ、都市中心部に限定する方針を示した。実際の発令は、各都市の県知事や警察当局、市長が行っている。
夜間外出禁止令の内容
パリ:レピュブリック広場からレ・アル地区にかけての区域で、23時〜翌6時。未成年・成人とも対象。この区域では20時からデモも禁止された。
ニース:22時〜6時。対象は未成年のみ。エリック・シオッティ市長が発表し、25日(日)まで続ける。
北部:リール、ドゥエー、ワティニー、ドゥナンの各市で、20時〜翌6時。北部ゾーンの県知事が市長の同意を得て命じ、期間は2日間。AFPによると、対象は各市の一部地区の未成年。
リヨン:夜間外出禁止
背景にあったデモ
17日の全国デモは、生活費高騰や公共サービスの不備への不満から行われた。参加者は55万〜80万人と報じられている。一部が暴徒化し、各地で放火や略奪が起きた。仏メディアによると、18日時点の逮捕者は2397人、負傷した警察官・憲兵は997人(うち7人が重傷)。商店の被害は2000店超と報じられている。数字は時間とともに更新されており、17日夜の発表は逮捕約1200人、負傷約150人だった。
リモージュ市庁舎が焼失
中部リモージュでは、デモ終了後に暴徒が市庁舎の窓を破って侵入し、放火した。1883年に落成した歴史的建造物で、屋根の大部分と鐘楼が崩れ落ちた。知事は「大部分が失われた」と述べている。検察は刑事捜査を開始した。同市のデモ参加者は約5000人。警察車両4台と市警車両2台も焼かれたり、大きく損傷したりした。
政府の対応と政治への影響
ローラン・ニュニェス内相は、19日朝の仏ラジオ番組で「全責任は私にある」として辞表を提出した。マクロン大統領は、警察の指揮系統の維持が必要だとして、これを受理しなかった。大統領府によると、大統領は内相に対し、略奪者への新たな対処策を急ぐよう求めた。
ニュニェス内相は「統制を失った」と認めた。事前に想定した参加者数は実際より大幅に少なかったという。政府は商店向けに時短・休業補償の措置と特別支援基金を設けるほか、略奪品の転売広告の削除を通販サイトに要請する。大統領選まで約半年というなかで、野党は政府の事前準備と対応を批判している。24日(土)には新たなデモも予定されている。


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