NVIDIAの創業者兼CEOであるジェンスン・ファン氏は、2026年10月中旬に公開されたBG2ポッドキャストのインタビューで、SpaceXおよびxAIを率いるイーロン・マスク氏との長年にわたる協力関係と、現在進行中の共同プロジェクトについて詳細に語った。
ファン氏は「イーロンと働くのが本当に好きだ」と述べ、マスク氏がNVIDIAの技術を自身のAIモデル訓練、Grok Botなどのモデル展開、そして外部への計算資源の賃貸に活用している点を強調した。特に「Grok Botの需要と消費は本当に急増している」と指摘し、訓練・展開・賃貸を組み合わせるアプローチはGoogleなどを除けば比較的ユニークだと評した。
さらにファン氏は、マスク氏が「コンピューティングと物理的なインフラ構築の交差点」を愛していること、そして「エネルギーについてこれほど詳しい人はいない」と評価。地上のデータセンターが直面する電力・冷却・土地の制約を乗り越えるため、両社のエンジニアリングチームが緊密に連携し、「宇宙と地上の両方で非常に優れた新しいタイプのサーバ、新しいアーキテクチャ」を共同開発していると明かした。
このプロジェクトは、SpaceXが推進する「Starmind(Star Mind)」計画の一環とみられる。各衛星にNVIDIAのVera Rubin NVL72相当の計算能力(Vera CPUとRubin GPUを組み合わせたラック規模のシステム)を搭載し、低軌道でAIワークロードを処理する構想だ。イーロン・マスク氏は過去の決算説明会などで、2027年からの打ち上げ開始を示唆しており、地上の電力網や冷却制約から独立したスケールの計算資源を目指している。
両社の関係は2010年代半ばにさかのぼる。ファン氏は以前のインタビューで、Teslaの初期Model S/Model 3の車載コンピュータやFSD(Full Self-Driving)初期ハードウェアの開発を支援したこと、また2016年に世界初のAIスーパーコンピュータDGX-1を自らサンフランシスコまで運び、当時OpenAIの共同創業者だったマスク氏に直接届けたエピソードを語っている。当時、DGX-1は「誰も欲しがらない」製品だったが、マスク氏が最初の顧客となり、AI研究の基盤を支えた。
こうした長年の協力を背景に、10月15日、イーロン・マスク氏は自身のXアカウントでファン氏の発言を引用し、次のように投稿した。「古い友が最高の友だ。Jensenは最高だ。SpaceXとNVIDIAが共同設計しているStar Mindコンピュータは、ほぼ誰もが想像する以上に優れており、来年には量産に入る。才能あふれるNVIDIAのエンジニアリングチームと働くのは純粋な喜びだ!」
NVIDIA公式アカウントもこれに反応し、「気持ちは相互だ」と投稿した。地上の計算資源がボトルネックとなる中、宇宙という新たなフロンティアで両社の技術が融合しようとしている動きは、AIインフラの次の段階を象徴するものとして注目される。


人気記事