2月8日投票日当日の新聞広告が物議、高市総理「今こそ、日本列島を、強く豊かに。」→「選挙運動でしょう」

政治
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本日2月8日、衆議院選挙の投票日を迎えた中、一部の全国紙の朝刊に自民党の政党広告が掲載され、SNS上で議論を呼んでいる。広告には高市早苗首相の写真とともに「今こそ、日本列島を、強く豊かに。」というスローガンが掲げられ、物価高対策や外交・安保政策への取り組みを強調した内容だ。読売新聞、産経新聞、日経新聞の最終面下部に掲載されたこの広告は、選挙運動の禁止される投票日当日に政党宣伝として許容されるのか、疑問の声が上がっている。

広告の内容と掲載状況

広告は高市氏のポートレートを中心に、赤い背景で統一されたデザイン。主なメッセージは以下の通り:

  • 「自民党は、物価高対策を最優先に取り組み、みなさんに実感していただく。」
  • 「大切なのは、国土の活用のお手伝いを通じること。」
  • 「日本の未来を、強く豊かに。」

これらの広告は、特定候補への投票を直接呼びかけるものではなく、政党の政策アピールに留まっている。戦史研究家の山崎雅弘氏(@mas__yamazaki)は、投票後にコンビニで6紙を購入し、読売・産経・日経に自民党広告が掲載されていたことをXで指摘。「投票日当日の朝刊に、自民党だけ大きな広告が出る異様さ。『今こそ』という言葉は、今日の投票を意識したもので、選挙運動でしょう」と批判した。この投稿は3月8日18時30分現在、15,000以上のいいねを集め、大きな反響を呼んでいる。

選挙運動か、政治活動か?

公職選挙法(公選法)では、投票日当日の選挙運動は禁止されており、違反すれば罰則が適用される可能性がある。一方、政党による「政治活動」としての広告は規制が緩く、特定候補への投票を促さない限り許容される。

総務省の見解によると、政党の一般的な政策宣伝は政治活動に該当し、選挙運動の範疇外だ。

しかし、この境界線は曖昧だと指摘する声が多い。一橋大学の只野雅人教授(憲法学)は、「選挙運動と政治活動の境があいまいになっている。見直しの時期に来ている」と朝日新聞でコメント。

実際、自民党の高市氏出演動画はYouTubeで1億3千万回再生を記録し、広告費の大量投入が推測されるが、これも政治活動として合法とされる。

過去にも類似事例がある。2016年の参院選投票日には、自民党や公明党の広告が朝日・日経・毎日・読売などに掲載され、「違法では?」との声が上がったが、私費負担の政党広告として問題視されなかった。

ネット広告の拡大と選挙の公平性

今回の衆院選では、ネット広告の影響力が顕著。公選法は候補者個人の有料ネット広告を禁じているが、政党は選挙運動用サイトへのリンク付き広告を認められている。

自民党の動画再生数は突出しており、数億円規模の広告費が投じられた可能性が高い。これに対し、資金力の差が選挙の公平性を損なうとの懸念もある。

一方で、投票日当日のSNS投稿にも注意が必要。記入済み投票用紙の写真をアップすると、選挙運動とみなされ違法となる恐れがある。静岡大客員教授の大村慎一氏は、「有権者自身が秘密投票を損ねることにもなる」と警告する。

今後の議論の必要性

今回の広告掲載は、戦後最短の選挙日程(解散から投開票まで16日)の中で起きた出来事。与党の自民・維新連立が信任されるかが焦点の衆院選だが、広告規制の見直しが求められる声は高まっている。選挙の公平性を確保するため、ネット時代に即した法整備が急務だ。

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