日米に共通する薬事承認の壁:RFK Jr.が指摘するイベルメクチン見送りの背景、ワクチン優先が影響した可能性を問う

健康
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1.日本の緊急時の薬事承認の在り方について

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情報提起源:ギャラリービスコンティさん@rWUHYn1XFH78266

①資料から見る緊急時薬事承認の枠組み

特例承認制度の概要

  • 目的: 国民の生命・健康に重大な影響を及ぼす疾病の拡大を防ぐため、緊急に使用が必要な医薬品を迅速に承認する(資料p.5)。
  • 条件:
    1. 緊急性があり代替手段がないこと。
    2. 日本の薬事制度と同等の水準を持つ外国で承認されていること(資料p.15「第十四条の三」)。
  • 特例措置: GMP調査や国家検定の免除、容器記載の簡略化など、迅速な流通を可能にする措置が設けられている(資料p.19)。

mRNAワクチンへの適用

  • 事例: ファイザーの「コミナティ筋注」は米国EUA(2020.12.11)・EU条件付承認(2020.12.21)後、日本で2021.2.14に特例承認。モデルナやアストラゼネカも同様に海外データを基に迅速承認(資料p.3)。
  • 評価データ: 海外の大規模第Ⅲ相試験(数万例規模)と国内の第Ⅰ/Ⅱ相試験(数百例)を組み合わせ、有効性・安全性を確認。
  • 迅速性の背景: 「ワクチン開発・生産体制強化戦略」(令和3年6月1日閣議決定)に基づき、薬事承認プロセスの迅速化が国家的優先事項とされた(資料p.1)。

治療薬への適用

  • レムデシビル: 米国EUA(2020.5.1)後、日本で2020.5.7に特例承認。迅速性は際立っており、申請から承認まで3日(資料p.3)。
  • ロナプリーブやソトロビマブ: 米国EUAから数ヶ月遅れで承認(それぞれ約8ヶ月、約4ヶ月)。海外データに加え国内試験も活用。

過去の事例

  • 2009年の新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン2品目が特例承認され、いずれも海外承認(スイス、ドイツ、カナダ)を基に2010.1.20に承認(資料p.10)。この時は迅速性が機能した例。

②イベルメクチンと特例承認の関係

イベルメクチンはCOVID-19治療薬としての特例承認に至りませんでした。その理由を資料と状況から考察します。

特例承認の条件との適合性

  • 条件1: 緊急性と代替手段の不在: COVID-19は「国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病」に該当し、初期は治療薬が不足していたため、イベルメクチンも候補となり得た。
  • 条件2: 海外での承認: イベルメクチンは抗寄生虫薬として多くの国で承認済みだが、COVID-19治療薬としては2021年時点で先進国(日本と同等の薬事制度を持つ国)での正式承認がなく、特例承認の適用対象外だった。
    • 例: 米国FDAやEUはCOVID-19への使用を認めず、WHOも2021年3月に「臨床試験以外での使用を推奨しない」と声明。

データの不足

  • 資料p.11-12では、ワクチン承認に必要な有効性・安全性評価として、大規模臨床試験(第Ⅲ相)や免疫原性データが求められる。イベルメクチンは、北里大学の第2相試験(小規模)や海外の観察研究しかなく、大規模な検証的試験データが不足。
  • mRNAワクチンやレムデシビルは、数万例規模の第Ⅲ相試験結果を提出し、特例承認の基準を満たした。対照的に、イベルメクチンのエビデンスは「有効性が推定される」レベルにとどまり、「確認」には至らなかった(資料p.5の「有効性確認」基準)。

制度的制約

  • 資料p.7では、緊急時の承認基準として「平時とは異なる考え方」が検討されているが、令和3年11月時点では結論が出ていない。イベルメクチンの場合、既存の特例承認制度では海外承認がないため適用できず、新たな柔軟な基準が間に合わなかった。

③ 緊急時薬事承認の問題点と改善点

資料p.6-9の「制度設計における論点」を基に、問題点を整理:

  • 発動要件の硬直性: 海外承認が必須な現行制度では、イベルメクチンのような国内発の薬が不利(p.6)。
  • 運用基準の厳格さ: 「有効性確認」が求められ、「推定」では不十分。緊急時に柔軟な基準(例: 米国EUAの「may be effective」)が欠如(p.7)。
  • 迅速性の不足: イベルメクチンの臨床試験支援や暫定使用許可が遅れ、mRNAワクチンに比べて対応が後手に(p.1の迅速化目標との乖離)。
  • 透明性: なぜイベルメクチンが特例承認に至らなかったかの説明が不足し、国民の信頼を損なった可能性。

提言された改善

  • 資料p.7-8では、新たな感染症に備え、臨床試験枠組みの事前作成や緊急時の特別使用許可制度の検討が提案されている。2021年中に方向性を出す目標だったが、具体的な進展は不明。

④結論

イベルメクチンが特例承認されなかったのは、以下の要因が重なった結果と考えられます:

  1. 制度的制約: 海外承認がないため特例承認の対象外。
  2. エビデンス不足: 大規模試験データがなく、承認基準を満たさなかった。
  3. 政策優先度: mRNAワクチンの迅速承認が国家的戦略として進められ、治療薬の再評価が後回しに。

⑤まとめ

日本では、医薬品医療機器等法に基づく「特例承認」制度が緊急時の医薬品を迅速に導入する仕組みとして機能する。COVID-19パンデミックでは、ファイザーのmRNAワクチン「コミナティ筋注」が米国EUA(2020.12.11)から約2ヶ月後の2021.2.14に特例承認され、迅速な流通が実現した。一方、イベルメクチンはCOVID-19治療薬として承認されなかった。その理由として、海外での正式承認がなく(特例承認の条件未達)、大規模臨床試験データが不足していたことが挙げられる。北里大学の第2相試験は小規模で、「有効性確認」の基準に届かなかった。

この背景には、mRNAワクチンの優先が影響した可能性がある。「ワクチン開発・生産体制強化戦略」(令和3年6月1日閣議決定)により、mRNAワクチンの迅速承認が国家的優先事項となり、治療薬の再評価が後回しにされた印象は否めない。イベルメクチンがジェネリックで利益が低い一方、mRNAワクチンが高収益商品である点も、経済的動機を疑う声につながっている。

問題点として、現行制度の発動要件が硬直的で、海外承認を必須とするため国内発の薬が不利となる点が浮き彫りに。また、「有効性確認」を求める基準は緊急時の柔軟性に欠け、米国EUAの「may be effective」に比べ厳格だ。さらに、意思決定の透明性が不足し、イベルメクチン未承認の理由が国民に十分説明されなかったことも信頼を損ねた。資料では、新たな感染症に備えた制度見直しが提案されているが、2021年中の結論は不明のまま。

緊急時の薬事承認は国民の命を守る要である。今後、制度の柔軟性と透明性を高め、mRNA偏重ではないバランスの取れた対応が求められる。

2.アメリカの緊急使用許可について、RFKジュニア氏(保健福祉省長官)の発言

RFK Jr.氏(保健福祉省長官)

「連邦法の下では、彼(アンソニー・ファウチ)はイベルメクチンとヒドロキシクロロキンを排除しなければなりませんでした。なぜなら、連邦法では、対象疾患に対して効果的であると証明され承認された薬がある場合、ワクチンに緊急使用許可を与えることができないからです」

「ですので、もし誰かがイベルメクチン
やヒドロキシクロロキンが効果がある
と示したり、例えばファウチがイベルメクチンやヒドロキシクロロキンについて知識を持っていたならば、明らかに私たちは、今や世界中で、何百、場合によっては何千もの研究を持っていることが分かります。ですが、彼はそれを承認することをしませんでした」

「約285の研究があり、そのほとん
どが査読済みで、イベルメクチンとヒドロキシクロロキンが合わせて入院期間を80%短縮し、死亡率を80%減少させることが示されています。この国でCOVIDによって亡くなった人々の80%は、死ぬ必要がありませんでした」

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