深田萌絵氏(ITビジネスアナリスト、深田萌絵TV)は2026年8月21日の配信で、高市早苗総理の経済認識と米トランプ政権が警戒する「日本発の米国債リスク」をテーマに解説した。タイトルは「高市総理が未だデフレ認識!?トランプが恐れる高市発・米国債暴落。」。動画は約22分。
ベッセント・プットと米市場の反応
深田氏はまず、米財務長官スコット・ベッセント氏による国債買い戻し拡大(いわゆる「ベッセント・プット」)を取り上げた。財務省が長期国債の買い戻し(バイバック)規模を拡大し、借り入れコスト抑制を図る動きだ。しかし市場は「短期的な対応に過ぎない」と受け止め、8月20日の米株は反落。長期金利は再び上昇した。ブルームバーグなどの報道でも、エネルギー価格上昇によるインフレ懸念が指摘されている。
米国は中間選挙を控え、インフレやガソリン高が有権者心理を冷やすことを警戒。イラン関連の情勢が複雑化する中で、金利上昇を避けたいトランプ政権の思惑が背景にあると深田氏は指摘した。
債券買い戻しの仕組みと深田氏の経験
深田氏は自身の投資銀行時代の経験を踏まえ、債券の仕組みを解説。発行体は債券価格が下落した局面で買い戻せば、額面より安く債務を圧縮できる。リーマン・ショック後、企業向けにそうした「債務削減」提案をしていた経験を挙げ、「市場価格で債務を買い戻すことで負債を実質的に減らせる」と説明した。国家レベルでも同様の手法が使われ得るとし、米財務省の動きをその文脈で位置づけた。
日本の金融緩和とキャリートレードの影響
深田氏は、現在の米国債市場を支える構造として日本の役割を強調した。リーマン・ショック後、欧米が先行して金融緩和を進めた一方、日本は遅れ、アベノミクス以降の大規模緩和・ゼロ金利で円が「安い資金源」となった。世界の投資家・ファンドが円で借りて外貨建て資産に投資するキャリートレードが拡大し、円安進行の一因になったという。
最近の急激な円安を受け、日米で協調介入が行われたが、効果は限定的だった。米側は「円安自体より円金利の上昇を警戒している」との見方を示したと深田氏は述べる。円金利が上がれば、円借り入れのキャリーが巻き戻され、円建て資産(日本国債など)の売却が進み、結果として金利上昇が加速する可能性があるためだ。
高市総理の「デフレ認識」との関連
高市総理は2026年7月の記者会見などで「デフレを脱却したといえる状況にはない」との認識を示している。深田氏の配信タイトルは、こうした認識が続く中で、金融政策や金利を巡る対応が米市場に波及するリスクを「高市発」と表現したものだ。
深田氏の解説の核心は、日本の金融政策・円金利動向がグローバルなキャリートレードを通じ、米国債金利や市場安定に影響を与え得る点にある。トランプ政権が円金利上昇を特に警戒する背景と、高市政権の経済認識がどう絡むかが焦点だ。

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