2026年7月1日の海外市場で、ドル円相場は一時1ドル=162円80銭台まで下落し、1986年以来およそ40年ぶりの円安水準を更新した。片山さつき財務相は6月30日、162円台への円安進行について「必要に応じていつでも適切に対応する」と改めて市場をけん制しており、当局によるドル売り・円買い介入への警戒が市場で強まっている。
過去最大規模の介入も効果は限定的
政府・日銀は4月28日〜5月27日の1カ月間に、月間ベースで過去最大となる11兆7,349億円規模の為替介入を実施した。しかしドル円はすでにこの介入時の水準を上回っており、円安圧力の根強さが改めて浮き彫りになっている。三村淳財務官は7月1日、ブルームバーグのインタビューで、この介入について「しばらく円安の加速を食い止めた点で効果があった」と振り返る一方、円安の流れそのものは変わっていない。
エコノミストでグローバルストラテジストのエミン・ユルマズ氏はXでこう警告した。
レートチェックなしのサプライズ介入は10円落とすくらいの介入じゃなければ投機筋に笑われて終わりです。介入効かないと分かったら一段と攻められるから覚悟した方がいいです
同氏は、規模の小さい介入では逆に投機筋を勢いづかせ、さらなる円売り圧力を招くリスクを強調している。
「1ドル=200円」を最悪シナリオとして意識し始めた市場
ブルームバーグは7月1日、「まさかの1ドル=200円、トレーダーが意識し始めた最悪の円安シナリオ」と題する記事を配信した。同記事によれば、日米など主要国との金利差と日本の財政運営への懸念を背景に、これまで非現実的とされてきた200円台への円安を最悪ケースとして意識し始める市場参加者が出てきているという。
運用資産1兆8,900億ドル規模のT・ロウ・プライスは169円をリスクシナリオとして想定し、みずほ銀行は170円近辺、三井住友フィナンシャルグループは今後数年で180円となる可能性を見据える。シンガポール拠点のヘッジファンド、ブルー・エッジは、日銀の利上げがさらに後手に回れば200円超も視野に入るとの見方を示した。ただし為替オプション市場では、1年後に180円に達する確率は約15%とみられる一方、200円到達の確率は1%未満にとどまっており、あくまで「最悪シナリオ」の域を出ていない点には留意が必要だ。
日本経済への影響
円安の進行は輸入物価の上昇を通じて家計や中小企業の負担増につながる一方、輸出企業には追い風となる側面もある。政府・日銀が本格的な円買い介入に踏み切るのか、様子見を続けるのか、市場の関心が集まっている。



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