高市早苗総理が主導する「皇族数確保」策に対し、天皇陛下が極めて異例の強いお言葉を述べられた。
6月11日、オランダ・ベルギー公式訪問を前にした記者会見で、天皇陛下はこう仰せられた。
制度に関わる事項については、私から言及することは控えたいと思いますが、皇室のあり方や活動の基本は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽をともにすることだと考えており、こうした皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります
この発言の直前、6月10日には衆参両院の正副議長のもとで「立法府の総意」として、以下の2案が了承された。
- 女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案
- 旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案
高市政権はこれを受け、「早急に法案作成に取り掛かる」と表明し、今国会(7月17日会期末)での成立を目指す構えだ。
しかし、天皇陛下は「国民の理解が得られるものとなることを望む」と、慎重かつ明確に釘を刺された形だ。陛下のお立場上、政治的発言は許されない中での、極めて重いメッセージである。
陛下のお言葉をどう読むか
陛下は「立法府の総意」という言葉を直接否定されたわけではない。しかし、「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と繰り返し仰せられた点が重要だ。これは、単なる手続き的な了承ではなく、国民の幅広い理解と納得が必要であることを、静かに、しかしはっきりと示されたものと受け止めるべきだ。
宮内庁の黒田武一郎長官も、陛下の受け止めを「国民の皆さまの理解や納得を得られるものとなるように願われているのではないか」と拝察している。
「保守」を自任する政権がやっていること
高市政権は「保守」を標榜しているはずだ。しかし、皇室の根幹に関わる重要事項を、国民の十分な理解を得る前に「立法府の総意」という形で押し進め、早期成立を目指す姿勢は、本当に保守的なのか。
皇族数確保は確かに喫緊の課題だ。しかし、拙速な制度変更が、結果として皇統の在り方を根本から揺るがすリスクを孕んでいることを、陛下は深く憂慮されているのではないか。特に「女性皇族の身分保持」案では、結婚後の夫や子の扱いが曖昧なまま進めば、将来的に皇室の在り方が大きく変わる可能性がある。陛下が「国民の理解」を繰り返し求められた背景には、そうした懸念があると見るのが自然だ。
天皇陛下を「マジギレ」させるような政策を進めることが、本当に「日本を守る」ことにつながるのか。高市政権には、陛下のお言葉を真摯に受け止め、国民の幅広い理解を得るための丁寧な議論を、改めて求めたい。

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