芥川賞受賞作家の平野啓一郎氏(@hiranok)は2026年6月8日、X(旧Twitter)で自民党総裁選を巡る「中傷動画問題」について厳しく言及した。首相側が強く否定を続けていれば、野党の追及に「いつまで批判するのか」「もっと大事な国政があるだろう」という声が自然と高まり、事態を切り抜けられると踏んでいるのではないか——と指摘。「そんな国で良いのか?」と問いかけた。
平野氏の投稿全文は以下の通り。
首相は、ただ語気を強めて否定していれば、そのうち、「野党はいつまで批判するのか? もっと国政にとって大事なことがあるだろう!」とかいう間抜けな声が高まってきて、切り抜けられると踏んでいるのだろう。そんな国で良いのか?
背景となっている総裁選で起きた「AI中傷動画」疑惑
背景を整理するとこうだ。昨年10月の自民党総裁選を巡り、IT会社代表の松井健氏が取材に応じ、高市早苗首相の秘書から「小泉進次郎防衛相を逆転するにはどうすればいいか」と相談を受けたことを証言した。
共同通信によると、松井氏は首相当選を目的に小泉氏を「操り人形」などと批評する短編動画を独自開発の生成AIで1000〜1500本作成。林芳正総務相も標的にし、約300のアカウントを使ってXなどで拡散したという。総裁選後、アカウントはすべて削除された。
平野氏の「厳しい眼差し」——過去にも高市政権に苦言
平野氏はこれまでも高市首相に対して率直な批判を重ねてきた。5月には「嘘の経歴でテレビに出られる人とは精神構造が違う」と投稿し、注目を集めている。
今回の投稿は、単なる「疑惑への追及」ではなく、政権の危機管理手法そのものに対する警鐘だ。「語気を強めて否定し続けるだけで世論の疲弊を待つ」という戦略を「間抜けな声が高まる」と表現し、民主主義の劣化を危惧している。
野党が国会で追及を続ける中、与党内からも「無理がある」との冷ややかな声が出ている状況下、平野氏の指摘は多くの読者に「確かに」と響いているようだ。
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