内容
自民党が、ながらく憲法に加えることを狙ってきた緊急事態条項。災害・テロ発生時への対策だというのが表向きの説明だ。しかし、首相に権限を集中させ、国民の権利を制限するこの条項に別の意図はないのか。じつはヒトラー独裁の始まりは、ワイマール憲法に書かれた同様の条項だった。憲法学界の重鎮が、ナチ・ドイツ研究の最先端をいく歴史家とこの条項の危うさを徹底的に解明する。 【目次】はじめに――「憲法問題」の本質を見抜くために 石田勇治/第一章 緊急事態条項は「ナチスの手口」――大統領緊急令と授権法を知る/第二章 なぜドイツ国民はナチスに惹き付けられたのか/第三章 いかに戦後ドイツは防波堤をつくったか――似て非なるボン基本法の「緊急事態条項」/第四章 日本の緊急事態条項はドイツよりなぜ危険か――「統治行為論」という落とし穴/第五章 「過去の克服」がドイツの憲法を強くした/おわりに――憲法の歴史に学ぶ意味 長谷部恭男/参考資料 ボン基本法における緊急事態条項及び関連条項/参考・引用文献
著者について
長谷部 恭男(はせべ やすお):早稲田大学法学学術院教授。東京大学法学部教授等を経て、2014年より現職。日本公法学会理事長。全国憲法研究会代表。主な著書に『憲法とは何か』(岩波新書)『憲法の論理』(有斐閣)など。
石田 勇治(いしだ ゆうじ):東京大学大学院総合文化研究科教授。専門はドイツ近現代史。マールブルク大学Ph.D.取得。ベルリン工科大学客員研究員、ハレ大学客員教授を歴任。主な著書に『ヒトラーとナチ・ドイツ 』(講談社現代新書)など。
登録情報
- ASIN : B075FQDY5R
- 出版社 : 集英社 (2017/8/24)
- 発売日 : 2017/8/24
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 3.2 MB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 199ページ
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