エプスタイン文書の波動、ビル・ゲイツ氏を直撃!伊藤穰一氏ら3人のハッカー大会追放だけで済まない事態に

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世界中の技術者が憧れ、サイバーセキュリティの最前線が集結する「聖域」——世界最大級のハッカー大会「DEFCON(デフコン)」。権力へのカウンターカルチャーと技術への純粋な探求心が共存するこの舞台に今、かつてない激震が走っている。

発端は、あまりにも衝撃的だった。自由と技術の粋を競うはずの「聖域」が、少女買春などの罪で起訴され、獄中で謎の死を遂げた米富豪ジェフリー・エプスタイン氏という、現代史の「闇」そのものと結びつけられたのだ。2026年2月、過去の亡霊が再びテクノロジー業界を揺るがし、輝かしいキャリアを持つエリートたちを追放へと追い込んでいる。なぜ、最先端の知性が集う場所で、これほどまでの事態に発展したのだろうか。

前代未聞の「参加禁止リスト」:エリートたちが追放された背景

DEFCONは2026年2月18日までに、公式サイトの「参加禁止個人リスト」を更新し、テック界の第一線で活躍してきた著名人3名を公式に追放した。

• パブロス・ホルマン氏(ハッカー・発明家)

• ヴィンチェンツォ・イオッツォ氏(起業家・研究者)

• 伊藤穰一氏(千葉工業大学学長、元MITメディアラボ所長)

かつての英雄たちがリスト入りした根拠は、米司法省が公開したいわゆる「エプスタイン文書」と、米政治メディア「ポリティコ」による報道だ。DEFCONの広報担当者は、日本経済新聞の取材によると「現時点でこれ以上の情報はない。知る限り、エプスタイン氏がデフコンに出席したことはない」と回答。エプスタイン氏という汚濁を、ハッカーコミュニティから断固として排除する厳格な姿勢を鮮明にしている。

驚愕の役割:技術を「隠蔽」に転用した代償

公開された資料からは、ハッカー精神の根幹を揺るがす、技術の「負の転用」の実態が浮かび上がってくる。

特に衝撃的なのは、パブロス・ホルマン氏の関与だ。2013年にエプスタイン氏のニューヨークの自宅に滞在する計画を立てていただけでなく、インターネット上の否定的な情報を検索結果の下位に押し下げる、いわゆる「逆SEO」的な手法を助言していたことがメールから判明した。情報の透明性を重視すべきハッカーが、権力者の不都合な真実を覆い隠すための「情報の門番」として知恵を貸していたという事実は、コミュニティへの重大な裏切りに他ならない。

また、ヴィンチェンツォ・イオッツォ氏は、2014年から2018年にかけて少なくとも5回、エプスタイン氏の自宅で面会する予定を立てていた。さらに、FBIのファイルにはエプスタイン氏が「個人ハッカー」を雇っていたという記述があり、その人物の経歴(iOSの脆弱性発見や、クラウドストライクに買収された企業の元代表)が、イオッツォ氏の経歴と正確に一致している。

イオッツォ氏側は「完全に虚偽で根拠のないもの」と強く否定しているが、DEFCON側はFBI資料の具体性を重く見た。本来、脆弱性を発見してシステムを強固にするために使われるべき技術が、富豪の「私兵」としての活動に利用されていた疑いがある。

沈黙する巨象:伊藤穰一氏と千葉工業大学の「隙」

このスキャンダルは、日本の教育・研究機関のガバナンスにも鋭い刃を突きつけている。リストには千葉工業大学学長の日本人、伊藤穰一氏の名前が記載されていたのだ。

伊藤氏は2014年にイオッツォ氏をエプスタイン氏に紹介しており、両者の密接な関係を繋ぐ重要な役割を果たしていた。かつてMITメディアラボ所長を辞任するきっかけとなった資金提供問題に続き、今回は「仲介役」としての責任が改めて問われている。

注目すべきは、伊藤氏が学長を務める千葉工業大学の対応の変化だ。2月3日時点、同大は伊藤氏の学長就任時の経緯について「経歴やバックグラウンドは確認しており、問題はない」と強気な回答をしていた。しかし、DEFCONによる追放処分が明らかになった後の2月20日には、一転して「ノーコメント」を貫いている。この豹変は、組織の危機管理における決定的な「隙」と、日本の大学組織におけるコンプライアンス意識の甘さを露呈している。

「エプスタイン・リスク」:テックリーダーたちの致命的な脆弱性

この問題は、特定の3名の追放に留まらない。マイクロソフトの創業者で有名なテック界の巨人、ビル・ゲイツ氏もまた、この「エプスタイン文書」の波紋を避けられず、2月19日に予定されていたインドでのAI関連イベントへの登壇を見送った。

いまや「エプスタイン・リスク」は、テクノロジー業界のリーダーたちにとって、いつ爆発するか分からない「時限爆弾」となっている。かつては富豪との個人的なネットワーク、あるいは資金調達の手段に過ぎなかった接点が、数十年後のデジタル・ガバナンスにおいて致命的な脆弱性(アキレス腱)へと変質したのだ。

私たちは技術者の「倫理」を再定義する時

ハッカー文化の根底には、既存の枠組みを疑い、知のフロンティアを切り拓く「自由」がある。しかし、その自由は本来、より良い社会や技術の進歩に寄与すべきものだ。

今回のDEFCONによる断固とした処置は、技術が権力者の私的な欲望や、不都合な真実を隠蔽するために悪用されることを、コミュニティが決して容認しないという強力な意思表示である。

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