2月5日、東スポが『ゆうこく連合・原口一博氏を総理大臣に!「原口一博を漢(おとこ)にする」を旗印に掲げ、ネットワークが拡大』と記事にした。これについて述べたい。
現在、日本の政治空間には土着的な右へならえ主義と、それに危機感を訴える苛立ちが充満している。自民党高市早苗政権は、自身の「ホクホク」発言や党首討論のドタキャンに批判が集まっている。一方で立憲民主党と公明党が野合した「中道改革連合」は、いかにも永田町的な「数合わせの論理」で政治の安定を説いている。有権者が抱く「結局、選ぶべき選択肢がない」という閉塞感は、今や臨界点に達している。
この既成政治の「空白」に、公示わずか2日前に結成された「減税日本・ゆうこく連合(略称:ゆうこく連合)」が存在する。これは単なる新党の誕生ではない。既存の政治システムそのものを揺るがす「地殻変動」の兆しとなっている。
公示2日前の結党が生んだ「選挙システム上の不在」という逆説
「ゆうこく連合」のスタートは、不遇という言葉では足りないほど選挙システムから「不可視化」されたところからの出発であった。
公示直前の届け出であったがゆえに、既存メディアの情勢調査では選択肢にすら入らず、選挙戦前半の討論会には参加できなかった。さらには、不在者投票で投票所に足を運んでも、比例区の選択肢にすら政党名の記載がされていない地区もあるという。
しかし、この「選挙システム上の不在」こそが「ゆうこく連合」の最大の武器となった。既得権益のフィルターが機能し、既存の枠組みが彼らを排除すればするほど、それは既存システムを不信に思う層にとって「真実の選択肢」であるという沈黙の証明になったのだ。
デジタルやメディアの網を潜り抜けたこのシステム上の不在が、皮肉にも熱狂的な草の根ネットワークを団結させ、選挙戦中盤には無視できない規模の露出へと繋がっている。
「原口一博を漢(おとこ)にする」――永田町算術を拒んだ孤高の決断
今回の選挙戦で最も異彩を放っているのは、その結集の軸が利害ではなく「情念」にある点だ。
象徴的なのは、立憲民主党と公明党の合流という、政策も理念も脇に置いた「中道改革連合」への参加を拒み、たった一人で退路を断った原口一博氏の存在である。「日本誠真会」代表の吉野敏明氏は、結成前夜の衝撃をこう振り返る。
「いざぱっと開けたら1人しかいない。同志の皆さんは30人ぐらいは来るはずだった。……(中道へ行かずに)退路を断った原口さんを一人きりにするわけにはいかない」
期待した30人の味方はおらず、蓋を開ければ原口氏ただ一人が孤独に立っていた。この徹底した孤立が、逆に「この男を放っておけない」という、現代政治が忘却した「心意気」を呼び覚ました。「原口一博を漢(おとこ)にする」というフレーズは、数やポストを奪い合う「永田町の算術」に対する、最も鮮烈なアンチテーゼとして機能している。
消費税は「日本弱体化装置」――反グローバリズム
ゆうこく連合が掲げる政策は、既存政党のそれとは解像度が根本から異なる。「日本独立、日本再興、日本救世」というスローガンのもと、彼らが戦いを挑んでいるのは、単なる与党ではなく「グローバリズム」そのものだ。
原口氏が提唱する「消費税=日本弱体化装置」という定義は、その中核にある。消費税を単なる税率の問題ではなく、日本の国力を削ぎ、国民を疲弊させる構造的な欠陥と捉えるこの視点は、mRNAワクチンへの反対姿勢とも直結している。ゆうこく連合にとって税制も医療も、すべては「日本の主権を取り戻す」という反グローバリズムの文脈で統一されたパッケージなのだ。
多彩な顔ぶれ――奥野卓志氏、川田龍平氏
ゆうこく連合から出馬した全国18人の候補者たちは、既存の政党の枠組みでは到底説明がつかない多様性を誇る。
例をあげるならば、「ごぼうの党」の奥野卓志氏は、近畿比例ブロックでの出馬に際し「サングラスを外し、ジャージーを脱ぐ時が来た」と、そのパフォーマンスの裏にある決意を露わにした。千葉7区には、薬害HIV訴訟の原告であり、命の尊さを訴え続けてきた川田龍平氏が立つ。
決して整然とした政党には見えないかもしれない。しかし、既存の政治という「管理された安定」から零れ落ちた、生身の叫びを抱える「価値観が共有されている政党」と有権者に映っているのではないだろうか?
管理された安定か、生身の主権か
2026年衆院選は、高市政権と中道改革連合による「管理された安定」の二項対立で終わるはずだった。しかし、公示2日前に現れた「ゆうこく連合」は、その構図に「生身の主権」という予測不能な変数を持ち込んだ。
彼らの動きは、一時の熱狂に過ぎないのか。それとも、既存の政治システムがその「不在」を測定できなかったという事実こそが、新たな地殻変動の始まりを告げているのか。
高市政権の放つ無自覚な言葉や、中道連合の用意した効かない処方箋に、今の日本を救う力があるとは到底思えない。
最後に、「あなたは、今まで通りの無難な道を選びますか? それとも、退路を断った人たちの言葉に耳を傾けますか?」
この国のハンドルを握るのは、システムに従順な「数」ではない。あなたという「個」の意志だと思う。

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